先週はUSD/JPY相場が急上昇しました。
こうした一方方向に進む相場に出くわすと
「ただ買ってもっていればいいんじゃないのか?」
「いちいち利食いしたり損切したりは、損だし効率が悪いのではないか?」
と考えることがあるかもしれません。
たしかに今回は105円から買ってそのまま放置していれば109円まで簡単に取れたでしょう。
チマチマ20pipsくらいの勝ち負けを繰り返すデイトレより、
買って放置したまま旅行にでもいっていたほうが儲けが出るという矛盾した状態になります。
こうなると額に汗を垂らしながら勝ったり負けたりをやっている
デイトレーダーはバカらしく思えるかもしれません。
しかし、長い目で見ると、デイトレーダーのほうが安定的に稼ぐことができます。
放置型は、長い目で見たときに、一喜一憂して骨折り損になりがちなのです。
デイトレーダーと放置型の資金推移のイメージを図にしてみましょう。
縦軸が資金の量、横軸が時間の経過を表します。赤線が放置型、青線がデイトレーダーとなります。
今回のような相場状況の場合は、放置型はガンガン資金が増えていきます。USD/JPYが105円のときがスタート地点。109円まで上がった現在がaのポイントとしましょう。
【a】この時点においては放置型は何もせずに大儲けすることができています。デイトレーダーも資金は少しづつ増えてはいますが、資金の増え方は亀のごとく一歩一歩です。現時点では両者の資金の開きは顕著でしょう。この時点においては放置型の大勝利です。
さて、放置型は大勝をしました。しかし、それはこれから何百戦もやるうちの1勝にしかすぎません。放置でらくらく大儲け!のスタイルを貫いているとどうなるか? それはこの図の続きのようになるでしょう。
【b】放置型はそのまま放置を続けましたが、次第に相場が崩れてきました。ナンピンをしてしのぐことにしました。このとき資金は少し減りましたが、この時点ではまだデイトレ型よりも大きく勝っています。
【c】しかし、そのあと相場は急落をしてしまってナンピンをしたことが仇となって資金が急激に減ってしまいました。儲けた分をほとんど吐き出したことになります。一方デイトレ型はトレード回数を50回こなしており、コツコツと資金を増やし続けていました。
【d】その後相場が再び回復して放置型はまた資金が増えました。一時危険な状態になったけれど、耐えたことが功を奏してまた大きくプラスになりました。放置型は「乱高下したけど大丈夫だ、ずっとロングを持っておこう」とポジションと心中することを決めました。
【e】ところがそこからまた相場は軟調になり上がりにくくなりました。ナンピンをしてもまた下がりだしてしまい、結局稼ぎがすべて吐き出されて、長い時間何もしていないのと同じになりました。一方デイトレーダーは放置型がポジションと心中している間に、100回以上のトレードを積み重ねて少しづつではありながらも、資金を積み重ねることに成功していたのです。振り返ってみると、放置型とデイトレーダー型では、トレード内容も結果もまるで異なるものになりました。放置型は所詮運任せであったのです・・・
というように、放置型というのは、主導権を相場にすべて委ねているため、いずれ相場の変動に巻き込まれてこのようになってしまうのです。
その放置のスパンが長ければ長いほど、その人の投資の実力は運任せになってしまいわかりにくくなってしまうものです。
たとえば、1年前からUSD/JPYを買ってそのまま放置をしていて、いま利食いをした人はこの1年間大勝でしょう。しかし、それはたった1回のトレード結果にすぎません。その1回に1年かかっているわけです。10年後にトータルして見ると負けている可能性もあります。
「20代のときは投資してけっこう儲かったんだけど、30代は負け続けて、40の今振り返ったら投資で100万マイナスだったよ」
というような結果になります。上の赤線のグラフが10年間の資金推移だったというオチになりがちなのです。スパンの長いトレードをしたら、本当の結果がわかるまでにはより長いスパンが必要になります。
そう考えると、世間一般でいうところの株式などの投資は、投資しているときがたまたま数年にわたっての上昇相場だったかどうかがすべてであるといえます。投資するタイミングが運良く上昇相場であったら勝てるし、運悪く下降相場だったら負けるという単なる運勝負でしかなくなります。
こうした投資法で勝てる人というのは、運良く上昇相場で放置をして大もうけしたあとにキッパリ投資から足を洗う人だけに限られるでしょう。たいていはキッパリ足を洗うことなどできず、上昇相場で大もうけして味を占めたあとはさらに資金を増やしてさらに大もうけしようと企みます。そして次は下降相場に出くわして資金を吐き出すことになってしまうものです。
なので、買って放置するという世間型の運による投資法と決別することが、専業トレーダーのはじめの一歩となります。
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