「FX意識改革」ブログ

 2009年からFXのトレードについて真面目に解説しています。
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# FX上達のヒント 運用額と恐怖は比例曲線を描く
前回取り上げた「恐怖」の話を続けましょう。

トレードにおいて、常人であれば、
運用額と恐怖は比例曲線を描きます。
運用額を増やすと恐怖も比例して強くなります。

運用額が少ないうちは、恐怖はあまりありません。
しかし、多くなるにつれて、恐怖は強くなり、
あなたの思考力を奪うのです。

それは高所で鉄骨の橋を渡るのとよく似ています。

あなたは、地面に置いた平均台ぐらいの幅の
100mの鉄骨の上を歩くことはできるはずです。
その鉄骨の端から端まで歩くのは何の造作もないことでしょう。

次にその鉄骨を平均台ぐらいの高さに置いてみます。
フラフラしながらもなんとか歩くことはできるでしょう。
落ちても別に怪我をしないから、恐怖は感じません。

ではその鉄骨を使って、5階建てマンションの屋上と屋上に橋を架けてみます。
風は吹いていない状態とします。落ちても死なないように命綱はしておくとしましょう。
けれど、その鉄骨を渡れる人の数は激減します。
多くの人は身の危険を案じて渡れなくなります。

最後にその鉄骨で超高層ビルの屋上と屋上に橋を架けてみます。
同じく風は吹いていません。落ちても死なないように命綱はしておくとしましょう。
しかし、もはや誰も歩き切ることなどできなくなっているはずです。
多くの人が、一歩踏み出しただけで身が凍える思いをし、
渡りきる途中でフラフラして自分から落ちていくはずです。

どれも鉄骨の上を歩くということに何の変わりはありません。
まっすぐ歩くという技術的な難易度は変わっていないのです。
しかし、高度が高くなるにつれて、歩き切るのは難しくなります。

なぜでしょうか?

それは、怖いからに決まっていますよね。

高いところから落ちたら命が危ないと思うから足がすくむ。
恐怖で体が反応しない。足が踏み出せない。
当たり前なことです。

鉄骨を渡る技術と、高所で恐怖を感じない精神力は別ものです。

同様にトレードで勝てる技術と、
大金を運用しても恐怖を感じない精神力は別ものです。

高度が高くなればなるほど恐怖で足がすくむ。
運用額も同じで、運用額が多くなればなるほど、恐怖で心がすくむのです。

「億万長者になりたければ、
  ロボットのように恐怖をシャットアウトしてやればいい」

と考えるトレーダーがいるかもしれません。
それは恐怖を押し殺して高層ビルの上の鉄骨を渡ればいいといっているようなものです。
言うは易し行うは難しでしょう。
頑張ればなんとかなる、気合でどうにかなるというものではありません。


ただ、それができてしまう人もいますよ。

この前アメリカで高層ビルの間を命綱なしで綱渡りする達人がいましたが、
それはもともと高所でも恐怖を感じないという綱渡りの才能があったからでしょう。

相場においても肝の大きい人はいます。
大金を動かしても恐怖を感じない天賦の才があれば、
相場で億万長者になれますが、ほとんどの人はそれができません。

鉄骨渡りにたとえれば、
多くの人は地面に置いてある鉄骨を渡る訓練からはじめて、
せいぜい、3階建てくらいの建物の間を渡るくらいが精いっぱいではないのでしょうか?
私もそのぐらいが精いっぱいです。

そのぐらいの度胸が
相場に置いては一千万円程度の運用力であると思います。
億を動かすには、高層ビルの上を歩けるようになれる精神力が必要でしょう。
それができるかできないかは、後天的な努力ではなく、先天的な資質や才能の領分です。


トレードにおける運用額の見極めもそれと同じことです。
自分が恐怖をコントロールできる状況下でないとトレードは勝てません。

だからトレードで勝つ技術があるといっても、
それは億万長者になれるということにはならないのです。
誰でも億万長者になれないのは、そういうことです。

ただ、誰でも訓練を積めば一千万程度なら運用できるようになると思いますから、
それで満足するのが現実的な落としどころでしょう。
それ以上を求めるのは飛躍があると思うのです。

専業トレーダーは自分に見切りをつけて、
自分の実力を十分に発揮するために、恐怖を感じない範疇でトレードをしているのです。


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| - | - | 09:00 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX上達のヒント 「恐怖と意志」
みなさんにオススメできるような本ではないのですが・・・

最近、新潮文庫から出ている北九州監禁殺人事件のノンフィクション
「消された一家 北九州・連続監禁殺人事件」を読んで
とても衝撃を受けました。

この事件は凄惨すぎる内容から
報道されなかった特異な事件です。

主犯の男がある一家に取り込み、
その一家親戚を洗脳して
家族を互いに殺し合わせて惨殺させたという
非常に凄惨な事件です。

驚くべきはこの男は直接手をくださず
洗脳して7人も死に追いやったことです。

家族は完全な監禁状態にあらず
外出を許されることもあったので、逃げることは可能な状態でした。

にもかかわらず事件が発覚したのは
最初の殺人から5年もたったあと、一人の少女が逃げ出したことで
やっと明るみに出たのです。

これを聞いてあなたは不思議に思います。

「なぜすぐに逃げなかったのだろうか?」と。
逃げようと思えば逃げられたのに、なぜすぐ警察に駆け込まなかったのかと。



話は変わりますが、最近振り込め詐欺が頻繁に起きています。

テレビでは毎日のように詐欺事件が報道されています。
市役所や病院にいけば、振り込め詐欺に注意を促す啓発ビデオが流れ
ATMの前には「振り込む前に相談を!」という張り紙が張られています。

なのに毎日騙される人がいて、振り込め詐欺はなくならないどころか
毎年被害数を更新し続けています。

これを聞いてあなたはやはり不思議に思います。

「なぜ、そんなのにひっかかるのだろうか?」と。
よほどのお人好しか、ボケてしまった老人に違いないだろうと。


正常な人間なら誰もがそう思います。
もちろん正常な人間であれば、監禁されたら逃げますし、
振り込め詐欺にはひっかかりません。

どうして犯人に従ってしまうのかといえば、
それは心が正常な状態ではないからです。


人間というものは、恐怖を感じると思考が停止するのです。

監禁殺人事件においては主犯は通電と呼ぶ拷問を頻繁に行い
被害者家族の精神をとことんまで縛りこんでいました。
些細なことがあればそのつど電気を流して痛めつけるのです。

また主犯は事前に家族の弱みを調べてすべて握っていました。
その家族は地元の名士であり、その弱みを白日の元にさらされると
とても困るという保身が根っこにあったのです。
また自分が逃げれば家族が拷問されるというのもあったし、
警察に駆け込めば犯人に手を貸した自分が逮捕されてしまうというのもあったでしょう。

つまり、恐怖と保身に縛られて逃げることはできなかったのです。


振り込め詐欺においても、
犯人は恐怖と保身による心理的な縛りを巧妙に使います。

「あなたの息子さんが会社の上役のお嬢さんを妊娠させてしまいました。
 このことが明るみになれば息子さんは首でしょう。
 息子さんの奥さんは離婚し、息子さんは多大な慰謝料を請求されますね。
 ご近所に知れ渡れば、あなたもいろいろ大変な目にあうでしょう。
 ここはお金で解決するのがベストです。
 お嬢さんと懇意にさせて頂いている私が1000万で丸く収めますので任せて頂けませんか」

といわれて犯人に従ってしまう。
なぜ、このようなデタラメな言い分を述べる犯人のいいなりになってしまうのか?

それは恐怖しているからです。

恐怖の裏には保身があります。
家族が危ない!自分が危ない!すべてを失ってしまう!
その状況になると恐怖で思考を奪われます。
犯人は怯えさせたあとに、ここは私がなんとかしましょうと救い船を出します。
すると騙される人はコロリとその船に乗ってしまうのです。

恐怖を断ち切る術は、たったひとつ。

それは自分の意志を強く持つことです。
勇気を持って、相手より強い意志を表示して恐怖を振り払うことです。
つまり開き直った人間が一番強いのです。



さて、相場では今日も
損切ができずに損をかかえて困っている人がいます。

明らかに相場が逆に進んでいるのに損切しない。
そんな人を見て、傍から見ている人は首をかしげます。

「損が出ているなら、なぜ損切らないのだろうか?」と。

なぜ損切ることができないのでしょうか?
損切ができない人のことを、みんな不思議に思っています。

でも、当事者にとっては不思議でもなんでもありません。
損切れないのは、恐怖と保身に心が支配されているからです。

このままでは大損をしてしまう!
全財産を奪われてしまう!
自分はたいへんなことになってしまう!

相場にこのように脅迫されていてそれに抗うことができないでいるのです。


そう相場は悪魔なのです。

たえずトレーダーを脅迫してきます。
トレーダーを蛇に睨まれた蛙の状態にして、
その術中にはめてカモから金を永遠と引き出していくのです。

相場は常にあなたの耳元でこうささやいています。

「今損切したら大損ですよ。その損を取り返すことなんてできやしません。
 ここは損切せずに耐えましょう。そうすれば助かりますよ。
 明日の15時までにお金を用意できなければ、ロスカットで大損です。
 家族に知られればあなたの信用は失われます。
 そうなったら大変です。ここは借金してでもすぐにお金を用意しなければなりません。
 15時までなら大丈夫です。早く銀行にいって証拠金を口座に振り込んでください」

振り込め詐欺と同じロジックです。
恐怖と保身で動けなくなった人間は、悪魔の言いなりになって
銀行に駆け込んでお金を振り込みます。


相場で生き残るには、悪魔に負けない意志の強さが必要です。

「別にいいですよお金なくなったって。
 だいたい金なんて人が作り出したモノにすぎないから、私は気にしません。
 またイチからやり直しますよ。
 家族に知られたら困る? 別にいいですよ。そんなので家族の絆は揺らぎません」

と開き直れば、悪魔は退散していきます。
悪魔はこんな開き直ったバカは相手にしません。
さっさと他のカモを見つけにいくでしょう。

そう専業トレーダーはみんな開き直ったバカなのです。
相場に対して開き直っているから、恐怖には屈しない。
だから損切を躊躇することもないのです。

というわけで相場に挑むなら、相場の恐怖に負けない強い意志力を持って挑みましょう。


以下蛇足ですが・・・

トレードの恐怖を吹っ切れるというのは運用規模にもよります。
何百枚も建てた挙句に含み損になり、
「このままでは1千万円失いますよ!ドブに捨てるのと同じですよ!」
と言われたら私も抗うことはできませんね。
ポジションを守るために銀行に突っ走って入金するでしょう。
だから相場は自分が開き直れる運用額でやることが
とにもかくにも大事だということです。

最初に自分の器や自分の限度を見極めなければ、
必ず恐怖に包まれて思考停止に陥り、
蛇に睨まれた蛙になってしまいます。
相場に対して、自分はどうか? 
恐怖>意志なのか、恐怖<意志なのか?
それを常に考えてください。
恐怖が優っているのならば、相場の悪魔には決して勝てません。


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| - | - | 12:43 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX上達のヒント 年齢を重ねたトレーダーは才能より経験で勝負する
昨日NHKの番組に将棋で1300勝を達成した
羽生善治が出演していました。

記憶力や集中力は若い頃のほうがピークなのに
なぜ、年齢を重ねてもまだ勝てるのか?
という質問がありました。

羽生名人がいうには

強さの基準はひとつではなく
確かに集中力や記憶力は若い人が有利であるが、
経験値などは年齢を重ねた人が圧倒的に有利である。
将棋とはそれらの総合力で競うものだ。

というような回答をしていました。

FXもまたそのようなものであると思います。
市場というのはバトルロイヤルによるサバイバルゲームですが、
年齢性別に関係なく総合力が高い人が生き延びる世界でしょう。


FXでも勝つために重要な要素や資質というのがあります。

集中力
判断力
想像力
反射神経
精密性
規律力
運用力
リスク管理力

集中力は、パソコンの前でトレードに集中できる力
判断力は、エントリーや損切や利食いなどを実行できる力
想像力は、トレードプランを考える力
反射神経は、指標時など短時間の売買についていける力
精密性は、トレード操作を的確にできる力(ミスなく瞬時に注文を実行できる)
規律力は、トレードのルールを守り実行する力
運用力は、大金を運用してもいつも通りトレードができる力
リスク管理力は、リスクを管理できる力

挙げていけばほかにもいろいろとあるでしょう。


総じて若い人は、体力があり頭の回転が速いので、
瞬発力や反射神経や精密性に秀でていると思います。
ゲーム的な素早い操作で長時間のスキャルピングトレードを
ミスなくやるのも苦ではないでしょう。

しかし、その反面経験が不足しているため、
勢いはあるのですが、リスクに鈍感なところはあるはずです。

リスクというのは、経験を重ねていかなければ実感できないものの代表といえます。
自然災害を見ても、人間の寿命の範囲では大災害などはめったに起こりません。
自分たちの経験でモノを計っているのだから、リスクは必ず甘くなります。
地球の年齢は46億歳といわれていますが、そのくらい生きている存在でなければ、
自然災害のリスクはわからないともいえます。

FXもまた同様で、1日で10円くらい動く日もありえます。
新規参入者は市場のリスクを甘く見積もってしまいがちですが、
長年の相場経験がある人は、実際にいろいろな経験をしてきたので
リスク想定力は秀でているはずです。
また、相場がどのように動くかという想像力=相場観も
さまざまなチャートを見てきているわけなので、やはり秀でているでしょう。

反面玄人たちが弱いのが、ゲーム的なトレードでしょう。
指標時の数秒の上げ下げを取るような、
瞬発力や反射神経を要求されるトレードは苦手です。
あとはハイレバレッジで倍々ゲームを繰り返すような
勢い任せのトレードも無理です。

こうしたトレードができるのは
やはり肉体が若く頭の回転が速い20代〜30代までであり、
40代以降はこのような素質よりも経験を生かして
長期型のトレーダーにシフトしていくのが自然の流れといえるでしょう。

若いころは体力もあるし頭も回るので
スキャルピングで月間1000pipsを稼ごうと息巻いたりするわけで、
私もそのように考えていたころもありますが、
それは掛け持ちで肉体労働のバイトをしているようなものです。

いつまでも若い頃のように体力・精神力まかせの勝負はできません。
年齢を重ねてきたら経験を生かして
トレードをうまく回していく必要があります。

その対応の方法は人それぞれであるとは思いますが、
苦手な分野は機械に任せたり、
ゆっくりと判断ができるスイングトレードにシフトをしたり、
利益を上げるための道筋はいろいろあるでしょう。

また、年齢を重ねると経験から運用力がついてくるので、
1pipsを重ねるスキャルピングをやらなくても、
それなりの収益を出すことはできるでしょう。

結局トレーダーにとって一番の資産はなにかといえば、
それはお金ではなく、他の仕事などと同じく「経験」なのです。

肉体的な能力が衰えてきても、経験で補えるのです。
羽生名人のように長年将棋に没頭する研鑽の日々を送っていれば、
経験で若手を牛耳ることもできるということで、
トレーダーもまた同様であると思います。


というわけで、上記で書いたトレーダーの資質を
レーダーチャートの5段階評価にして自己採点を行い
自分の弱みと強みを分析してみるのは有意義であると思います。

トレーダーは、年齢を重ねたら、
スペシャリストよりゼネラリストを目指すべきです。

何かに特化しているプロフェッショナルな職人気質の人は必ず弱点があります。
会社などのチームで仕事をするのなら、プロフェッショナルな職人がいても、
それをフォローしてくれる人がいるから問題はありません。
しかし、トレードは個人競技です。個人で全部やらなければなりません。
弱点をフォローしてくれる仲間はいないのです。

トレードではリスク管理力やルールを守る規律力が低いと勝てないわけなので、
長所を伸ばすというより、弱点を平均点に上げていく必要があります。
どうしてもそこが劣っていると感じたら、それは機械化してしまうのも手です。
機械的なリスク管理を用いてルール通りやるようにするなど工夫が必要でしょう。

トレーダー歴が長くなったら才能や勢いより経験で運用していく
今の自分にあった方法を常に模索していきましょう。


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| - | - | 13:11 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX意識改革102 「トレードにおける自己愛と怒り その3」
前回のメルマガでは、お金に対する過度な愛着を捨てることが
トレードからプレッシャーを除外することにつながると説きました。

今回はお金に対する愛着を捨てる思考訓練として、
「お金とは、果たしてそんなに大切なものだろうか・・・?」
ということを深く考えてみたいと思います。

ひとつ私のお金に対する見解をまとめてみますので
ぜひ自分自身にとってお金とは何か?を考えるきっかけにしてください。
 

●あなたは億万長者になって、何がしたいですか・・・?

トレードで一攫千金を狙う者は、何千万、何億と稼ぐことを夢に見ます。
それは宝くじに当たったら何をしようかと考えるのと似ています。  

宝くじで8億円当たったらどうするか?
誰もが考えたことのある問いを、今一度真剣に考えてみましょう。

宝くじに当たったら・・・

会社を辞める、遊んで暮らす、豪邸を買う、別荘を買う、
豪華な車を買う、 一流の服や家具を買う、世界中を旅行する、
借金を返済する、老後に向けて貯金をする・・・

凡人が思いつく使い道は、だいたいこんなところではないでしょうか。
誰もが宝くじに当たったら人生が激変するような期待を抱きます。
大金があれば、違う人生を生きられる、もっと満足することができる。
人生をやり直すことができる・・・そう思うものです。

しかし、現実は必ずしもそうではありません。

宝くじに当たって夢を叶えた自分をリアルに想像してみましょう。

大金持ちになったから仕事をやめた。
好きなだけ寝て、好きなものを食べて、好きなだけ遊ぶことにした。
しかし、そんな楽な生活を続けていたら、生きる張り合いがなくなった。

一級建築家に依頼して、都内の一等地に豪邸を建てた。
家族は喜んだが、広々とした家で各々部屋にこもりがちになった。
狭い家のほうが和気藹々と楽しく暮らせていたような気がする。

豪華客船で世界一周の旅に出た。
最初の数日はテンションが上がって楽しかったが、
一週間くらい海上で過ごしていると飽きてきた。
やがてウンザリしてきて、家でゆっくりくつろぎたいと思うようになった。

長年の借金を返済した。
借金はなくなってスッキリした。借金の悩みは消えたが別の悩みが出てきた。
今は自分の健康について悩むようになった。

老後に向けて貯金をした。
現在の生活や老後の心配はなくなった。だけど、それだけだった。


・・・案外このようになってしまうのではないでしょうか?

宝くじに当たった瞬間は幸せが絶頂かもしれません。
でも、実際に叶えてみると「こんなものか」と
むなしく感じてしまうのではないでしょうか。

 
阪急グループの創始者である小林一三は、

「金がないから何もできないという人間は、
金があっても何もできない人間である」

という名言を残しています。

場末のアパートの一室で暮らしている
金がないから何もできないという人間に、大金を渡してみます。
彼はお金を使って立派な服を買い、家具を買い、家を買い、
車を買い、趣味の道具を買い、 お金で買えるものをどんどん揃えていく。
 
しかしモノだけがどんどん増えただけで、自分そのものは何も変わっていない。
凡人が大金を得ても結局はそうなってしまうのではないでしょうか?


●お金があればあるほど、果たして人は幸せになれるのか?

ノーベル経済学賞の受賞者であり、投資の世界でも
プロスペクト理論や行動経済学などで知られるダニエル・カーネマンは、
アメリカ人45万人を調査対象に世帯年収や、生活の満足度などを調べて、
「幸せと年収は比例曲線を描くか?」という興味深い研究をしています。

年収が上がるに連れて幸せを感じる度合いは増えるのでしょうか?

その研究結果は、年収630万円に至るまでは、
お金を手に入れることと幸福感は比例曲線を描くことがわかりました。
しかし、年収630万円をピークに比例曲線は鈍化していき、
高所得者になるほどお金は幸福感に寄与しなくなるというものでした。

つまり、年収100万円と600万円では、
年収が増えるに従って幸せを感じる度合いは大きくなるが、
年収1000万円の人が、3000万円になっても、
幸せを感じる度合いはたいして違わないというわけです。


お金はないと困るものです。資本主義社会では生活できません。
だから人は一生懸命お金を稼ごうとします。
しかし、一定額のお金を手に入れ、衣食住が足りると、
お金は必ずしも重要なものではなくなります。

お金を求め続ける人生は、
豊かな人生ではなく、貧しい人生の道を進んでいるのかもしれません。
お金を求め続ける人生とは、つまりお金に振り回され続ける人生です。

巨額のお金を手に入れると、自分の身辺が騒がしくなります。
親族は争い友人たちは嫉妬し、人間関係に亀裂が入ります。
お金を奪おうとたくらむ人がたくさんやってきます。
そしてお金を失うのが怖くて、人を信じなくなります。

この段階に至っては、もはやお金は大切なものではなく、
かえって邪魔なものになってしまっています。
お金に身も心も支配されてしまい、
自分の意思で自由に行動ができなくなるのです。
 

●幸せの指針は、お金だけではない

前々号のメルマガでは、自己愛を満たすことが、幸せにつながると書きました。
人から認められ、人を尊敬し、人に寄り添うことが、
自己愛を獲得することにつながります。
ひいてはお金では満たすことのできない幸福感を得ることができるのです。

幸せの指針はたくさんあるはずです。
お金はその一つにしか過ぎません。

たとえば健康、仕事、家族、恋人・友人、趣味、お金・・・
それらで構成される5段階評価の6角形のレーダーチャートを想像してください。

健康2、仕事2、家族1、恋人・友人1、趣味2、お金5。
こんなイビツなお金だけ特化したグラフではとても幸せだとはいえないでしょう。


健康4、仕事4、家族5、恋人・友人5、趣味4、お金3
こちらのグラフのほうがお金はいまひとつながらもバランスがよく、
お金だけの人生より幸せだといえないでしょうか?


トレードで目を血眼にして何千万、何億という
お金を稼ごうとしているのであれば、
そんなにお金を手に入れてどうするのか?
今一度、深く考えてみてほしいと思うのです。

私は一貫して、FXで億万長者になるのは
夢物語だといい続けています。
そこまでは無理ですが、年収1000万程度までなら、
がんばれば実現できる範疇です。

そのぐらい稼ぐことができれば、
健康、仕事、家族、恋人・友人、趣味、お金・・・
のお金の項目評価は4点以上をつけられるのではないでしょうか。

であれば、もうお金についてはひとまず置いておいて、
あとは他の分野の点数をレベルアップすべきではないのかと思うわけです。


●大金で幸せになれるのは、大志のある人に限る

もし、あなたに大志があるのなら、
お金を使って最大の幸せを叶える道もあります。  
それはお金を自分のためではなく、人のために使うことです。  
 
たとえば会社を興して大勢の人たちを養い幸せにしようという大志があるのなら、  
お金を求め続けることは、人の役に立つ自己愛獲得の道につながっています。
 
しかし、大志を持ちそれを使命として  
命を燃やせる人間というのは限られた存在でもあるのです。  

あくまで自分の生活を潤したい。そのためにFXをやりたい。

そうであれば、無理に億万長者を目指す必要はありません。
相場で冷や汗を垂らしながら何十万という額を損切する必要はないし、
修行によって大金を失っても動じない鉄の精神を手に入れる必要もないのです。


●自分にとってお金とは何か?

お金に対する愛着を捨てることばできれば、
トレードのストレスは飛躍的に軽減されます。

私はこのように考えて、お金に対する愛着を捨てています。

「お金とは、あればあるほどいいというものではない」

「お金はなければ困るが、ありすぎても困るものであり、
ほどほどあれば十分であるものだ」

「お金は万能ではない。故に一番大切なものでもない」

そう思えば、お金に対する過度の愛着と執着は捨てることができます。
お金を絶対視しない。お金至上主義にならない。
それができれば、お金を失っても激怒することはありません。
つまり冷静にトレードできる心理状態を保てるのです。


さて、あなたにとってお金とはどんなものでしょうか・・・?

あなたがお金に抱いている思いが、
あなたのトレードスタイルそのものとなっているはずです。

お金があればあるほど幸せになれると考えているのなら、
少しの儲けでは満足せずにとことん欲張ってトレードをしているでしょう。

お金は命より大事なものであると考えているのなら、
相場では恐怖して、損切ができずに身動きが取れなくなっているでしょう。

お金はほどほどあればいいと考えているのなら、
損切は躊躇しなくなり、ちょうどいい頃合いで利食いができ、
一定金額を稼いだら気持ちよく相場から離れられるはずです。


あなたが相場で損失を続けてしまう裏には、
お金に対する過度な思い込みが存在します。
それを見直していくことで、きっとトレード結果は改善していくでしょう。

 

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# FX上達のヒント 相場への危機感を忘れた瞬間に、あなたは敗者となる
FXで勝てないのは、相場に対して「危機感」を持てないからです。

あなたはどうですか?危機感を持てていますか?


「いや自分は危機感を持っている!!」


そうですか。では、少し詳しく聞きますが、
危機感を持っているというのは、どのくらいの時間ですか?

たとえばエントリーをしたあと、危機感はどのくらいの時間持てていますか?
まさか1時間くらいしか持たないわけではないですよね?
食事やお風呂のときも、危機感を持っていますか?
24時間相場を警戒して、ずっと危機感を持てていますか?

どうですか? あなたは危機感を持てていますか?



今日は相場に対しての危機感の話です。

上記のように問えば、誰だってたじろぎます
そんなことできるわけがないだろうと言うでしょう。

けれど「24時間相場に危機感を持つ」
それをやらなければ相場では勝てないのです。
そして、それができないから、相場から去る人が大勢いるのです。


誰だってエントリーする前や後に危機感は持つでしょう。
慎重に考えてエントリーをして
思惑通り進むかハラハラ見守る。

しかし、その危機感は時間が経つにつれて右肩下がりのグラフのように
減衰していきます。さらに思惑通り進んで油断すると
たちまち危機感は減衰して消え失せるはずです。

エントリー後に上がってくれたから、安心しきって
トレードから離れて今日の食事は何をしようかとか、
週末はどこに遊びに行こうかとか考えたり、
友人から電話がかかってきてそれに出た時点で、
すでにあなたは相場に対して危機感を持てていないのです。


あなたが負けてしまう理由は簡単です。
相場に対して危機感を常に持ち続けられないからです。

相場に出たら危機感は1秒でも途切れてはいけません。
1年間を秒換算したら313536000秒になります。

その間ずっと常に100%の全力で
危機感を持ち続けなければならないのです。

たとえ1秒でも危機感を失えば、
この前のような日銀の金融緩和政策のサプライズで高騰したり、
あるいはリーマンショックのような出来事で暴落したり、
そういう出来事が必ず起こります。
しかも、為替市場では1年間に数回はそういうことがあるのです。

だから、1秒たりとも危機感を持てなかったら
相場で勝つことはできないのです。

これがあなたが相場で勝てない理由です。



逆に言えば1年中危機感を100%持ち続けることができれば、
あなたは相場で勝てるということにもなります。

では1年中危機感を持ち続けるためには
どうすればいいでしょうか?

寝ないで真剣にやる?
仲間たちとかわりばんこで相場を監視する?
もちろん、それは現実的ではありません。

答えは「危機感を持ち続ける役目は、機械に任せる」ということです。

つまり「ストップを置く」ということが、相場に対して、
「自分は常に危機感を持っているぞ!」という表明になるわけです。

あなたが食事をしていたり、遊んでいたり、寝ていたり、
相場のことを忘れていても、
機械=ストップは危機感を常に持ってくれています。

「ストップ=あなたが相場に持つ危機感」です。
だからストップは外してはいけないのです。


そしてもう一歩踏み込んで考えると
ストップを置く位置は、あなたの危機感の度合いを示しています。

ストップを広く持ちすぎているとき、
あなたの危機感は薄れています。
「まさかこのストップにはかからないだろう」と高をくくっているのでしょう。

ストップの距離を離せば離すほど、
あなたの相場に対する危機感は薄れているということです。
つまり、相場をナメているのです。


ストップを置く位置というのは、
もっと深く考えてください。

そんな緩いストップでは勝てません。
もっと危機感を持ちましょう。
シビアに考えていけば、もっとストップは縮められるはずです。
そんな離れたところまでいくまでに
ここを抜かれたらダメだというところがあるはずです。
そこにストップを置きましょう。

そして、そのストップというのは
相場が刻一刻と変化をするにつれて、置く位置が変わってくるはずです。
相場の形が変わったら、ストップを置く位置を変える必要があります。
思惑通りに進んだら、ストップは建値まで詰めることができるはずです。


・・・というようにシビアな危機感を常に持てるトレーダーが
市場で生き残れるトレーダーなのです。

ストップを置くのは当たり前です。
それが徹底できたら、そのストップを調整する。
ストップの位置を絶妙の位置に置けるようになるのは
トレーダーという年季が入った職人の技というものです。

ストップの位置調整が裁量トレードで勝つための肝である
といっても過言ではありません。
ストップを制す者がトレードを制すのです。

相場に対して危機感を持てているか?
それはあなたがストップを置いているかどうかでわかります。
そして、あなたが持つ危機感とはどのくらいの大きさなのか?
というのは、ストップを置く位置でわかるのです。

相場で勝つために「危機感」を「大きく」持ちましょう。


<補足>
アドバンスドホーミングFXを購入された方は
特典で見れる千草明の相場観のビデオコーナーの
第6回「利食いと損切の調整方法」を参考に
ストップを縮めていくことを考えてください。
最初はリミットとストップをデフォルトで固定してやるのは問題ないですが、
慣れてきたらストップを少し縮められるようになりましょう。
それが成績向上につながります。

また、当ブログのこちらの記事もご参考にしてください↓
FX上達のヒント 素人の損切とプロの損切



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| - | - | 15:22 | category: FX上達のヒント(コラム) |
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