「FX意識改革」ブログ

 2009年からFXのトレードについて真面目に解説しています。
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# FX上達のヒント 「FXをサバイバルゲームと考えてみる」
今回は、FXが上手くなるための最善の考え方を教えましょう。

それは、

FXとはお金を増やすことが目的ではない。
ゲームオーバーにならないように、長く遊ぶことが目的である。


と定義することです。


少年の頃ゲームセンターで遊んだ記憶を思い出してください。

あのころのゲームは1回50円でした。
そのお金でどれだけ長く遊べるかというのが、少年たちの目的でしたよね。

ゲームの腕が上がれば、ゲームは長く遊べるようになります。

シューティングゲームが上手くなれば、50円で全面クリアもできます。
格闘ゲームなら上手くなれば、50円で10連勝もできます。
というように、より少ないお金で、より長く遊ぶことができましたよね。


FXをやるのもこれとまったく同じ考えでやったほうが、
断然に上達は早いです。


例えば10万円を証拠金に入れるとしましょう。

そして、この10万円をなくさないように、
いかに長くFXができるか?
というのを最大の目的にするのです。

お金を増やすことは目的にしてはなりません。

どれだけ長い期間そのお金がゼロにならないように
トレードができたか?

それを目的とするのです。
そうすれば、勝ったり負けたりというトレードの基本がすばやく身に付きます。


トレードの勝負の流れというのはだいたいこうなります。

「よしチャンスだから入ろう」
「逆にいっちゃったな、ここは損切だ」
「お、ここはまたチャンスじゃないのか?」
「よし、上手くいったぞ。ここは利食いだな」
「これはいけるか? 入ってみよう」
「あらら、急に変動してしまった損切だ」
「ん?なんか簡単なトレンドになったなぁ。これはチャンスだ」
「おおー! これは上手くいった。連勝が続いて貯金ができたぞ!」

・・・というように勝ったり負けたりしながら長くやっていると、
自分に強烈な追い風が吹くときがあるのです。

まるでそれは凧上げのごとくです。
凧を上げていると風が停滞するときは下がってきますが、
粘っている内に上昇気流が吹いてきます。すると凧は上がります。
また風が止んだら粘る期間となり、また風が吹いたらグングンと上がっていく。
そうやって凧を落とさないように少しづつ上げていく。

凧の高度推移は、つまり資金の推移です。
トレードも増えたり減ったりしながら、少しづつ増やしていくものです。
だからまずは一定の証拠金で「長く」トレードができることがとっても重要なのです。


反対に一番よくない考え方を述べると、
FXで大金を稼ごう、お金をどんどん増やそうという考え方です。


当然、常識ではそうなのですが、そう考えてしまうからこそ、
欲がでてズルをしてルールを守れなくなり、大負けにつながり
あっという間にお金がなくなってしまうのです。

その考えの元でトレードをやるとだいたいこうなります。

「よし! チャンスだ買おう」
「あれ、下がってしまった。でもここでナンピンして戻るのを待とう」
「うわー、また下がっているどうしよう・・・」
「おいおい、こんな下がるのはおかしいだろう! 急いで追加入金だ!」
「ここまで下がったらもうだめだ・・・仕方ない大負けだけど損切して、ドテンで売ろう」
「おい!なんで売ったとたんに上がるんだよ!」
「くそっ!ロスカットされた。貯金を切り崩して取り戻してやる!!」

自然にこういう状態に追い込まれてしまうのです。
その原因はなんなのかというと「お金を儲けよう」というのが目的だからです。

「お金が増えて当然だろう」

と信じているからそうなってしまうのです。


そうなっていたら発想を変えてください。


少ないお金で長くFXを遊んでやろう!
長く遊ぶことが、つまりは勝利なのである!



と考えてみてください。

そのほうが大金を儲けようと考える人より、100倍は上達は早いですし、
欲に振り回されて100万も1000万も負けるなんて馬鹿げたことにはなりません。
むしろ、たった10万円のお金で、1000万以上の価値のあるスキルを
効率的に身に着けることができるのです。



まあ「FXで儲けよう」と考えるのは、当たり前です。当然です。
だれも疑いもしないお題目です。

そしてその当たり前に思っていることが、最大の罠になってもいるのです。
常識を疑ったところに、物事の本質があります。

FXはサバイバルゲームだ。
ゲームセンターのゲームと同じである。
用意した証拠金で、どれだけ長く遊ぶことができるかを競うものである。
これでお金を儲けることはできない。


そう考えたほうが、効率よくトレードを学べるし、
そして結果として儲かるのです。

そのとき常識のドツボに嵌った大衆とまったく別の考え方ができたのです。
常識の殻を脱することができたわけです。
勝者はいつだって大衆の常識の外にいるのです。

これからFXをやろう、FXをやり直そうと考えるのなら、
ぜひ「FXはサバイバルゲームだ」と考えてやってみてください。


※追記

ゲーム風に長くやることを目的にやるのなら、このように期間の長さに応じて称号を作って励んでみるのもいいでしょう。私がFX業者ならこういう長くFXをするのを目的とした「ゲームコース」のような部門を作って、到達者に景品をプレゼントする制度を作りますね。そのほうが客は上達してくれるし、長くお客さんとしてFXをやってくれますから。

<ゲームルール>
証拠金10万円でどれだけ長くプレイできたかを競う。
レバレッジは20倍で固定し、証拠金3万円以下でゲームオーバーとか。

<プレイ期間と称号>
そのゲームルールでどれだけ長くプレイできたかを競う。
達成期間に応じて、称号が与えられる。
日数区切りだとやったりやらなかったりする日があるので、
あるいはトレード期間+トレード回数の合計評価で判定するとか。
 
プレイ期間   称号
半月      初心者ゲーマー
一か月     経験者ゲーマー
三か月     熟練者ゲーマー
半年      セミプロゲーマー
一年      プロゲーマー


 

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| - | - | 12:35 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX上達のヒント 「あなたはエピクロス派? それともニーチェ派?」
哲学者になぞらえると、私の考えやトレードのタイプは「エピクロス」です。

エピクロスというのは、紀元前341年に生まれた古代ギリシャの哲学者であり、
快楽主義を唱えたことで知られています。

快楽主義という言葉で誤解されやすいのですが、欲を追及する生き方ではありません。
快楽というのは「平穏」という意味です。

「人間として普通に暮らし、気持ちよく平穏に生きましょう」ということです。
分不相応な富や名声などは求めず、ストレスなく平穏に生きられればそれが最善である。
という思想です。

その目的をなすためにエピクロスは3段階の欲求を考えました。

1段階目の欲求はごく自然的な欲求。
住居、食事、衣食、健康、友達を欲する要求です。
日本的に言えば衣食住ということですが、これは求めるべき欲求としました。

2段階目は、普通の欲求だが、生きるためには必要でない欲求。
これは豪華な食事や贅沢な住居。つまり豪奢な生活です。

3段階目は、それを求めるのは不自然であり、いらない欲求。
これは栄光や名声や権力です。


エピクロスは1段階目の欲求を満たせば、それで人間は幸福になれると考えました。
2段階目からは別にいらないとしたのですね。

そして富や権力を争う都会から離れて、エピクロスの園を作ったのです。
そこで弟子たちと自給自足しながら、
来る者は拒まず、仲間たちと学問を探究しながら暮らしたといいます。
そうして紀元前の人間にもかかわらず72歳まで生きたというのですから、
精神的にも肉体的にも健康で幸福な人生だったと思います。

エピクロスは世俗との交わりを捨て自給自足を好んだわけですが、
専業トレーダーにもエピクロス派は多いでしょう。

自分で畑を耕して自給自足をする。トレードもまた同様です。
晴耕雨読。相場が活況のときにトレードをして、それ以外は読書や友と語り合って暮らす。
余計なものをしょい込まず、自分が必要な分だけを得てつつましく暮らす。
それは禅僧にも通じるような生き方ですが、私は共感を覚えます。


しかし、正反対の考え方のトレーダーも存在します。

富と権力を自分自身の力で勝ち取ろうと野心を燃やすトレーダーです。
トレードを始めた人は、簡単にお金が手に入るので、このように考えてしまいます。

「トレードで億万長者になって、自分の夢を叶えてやろう!」

と。私も最初は御多分に漏れずその一人でした。
トレードで稼げるなら=億万長者になれるはずである。
巨万の富を稼いで、出世をしていこうと、短絡的に考えてしまう。
アメリカのトレード本なんて読むと、みんなそんなテンションで書かれていますし、
それを読むと「よし!おれもやるぞ!!」と舞い上がってしまう人が多いものです。

この思想は、哲学者に例えると、ニーチェですね。

ニーチェは神は死んだ。
自分の人生は、神や人に頼るな自分で勝ち取れ!と唱えました。

「生きている間に、できるかぎり最も良い所へ昇りつめよう!」
「より以上のものとなり、より強いものとなろう!」

その欲望(この欲望のことを「力への意志」といいましたが)を叶えることは、
人間としてまっとうな欲求である、と説いたのです。

傲慢にも思えますが、一理ありますよね。
現代社会は上昇志向の人間が競い合う資本主義社会ですし、
巷にあふれているビジネス本もニーチェ的な自己啓発を促すものが多いでしょう。
上昇志向の現代人はニーチェのいうことがしっくりくるかもしれません。

確かにカッコイイ生き方でもありますね。
ニーチェ的な思想を根幹としてトレードで大成功を収めるのも、夢ではないのです。
あなたがそれを何よりも強く望むのならば、できる可能性はゼロではありません。

しかし、その栄光は夥しいほどの犠牲の上に成り立ってもいて、
生半可なことではたどり着けないでしょう。

「それでもへこたれない! おれは絶対億万長者になってやる!!」

けれども、エピクロス派としては、その決意に思わず問いかけずにいられません。

「君は億万長者になりたいの? それは何のため?」
「人生は有限なのに、そんなにお金を手に入れてどうするの?」
「そもそもそれで本当に幸せになれるの?」

と、問いかけるわけです。その問いに自信を持って、ニーチェ的に

「もちろんだ!それで幸せになれる!!」
「そんな考えは強者を妬む弱者のルサンチマンである!」

と断言できるのなら、あなたにはその道を実現できる素質と才能があるのでしょう。
凡人ではありません、まさに超人です。

しかし、そうでなければ、そんな大それた欲望など捨てたほうが身のためだと
私は思うのです。

ちなみにニーチェは45歳で突然発狂して、55歳の若さで死にました。
欲を求めたがゆえの神の天罰という人もいますが、
ニーチェの目指した場所は、それほどの狂気を心に抱いてなければ、
たどり着けぬ境地だったのではないかとも思うのです。

さて、エピクロス派とニーチェ派
あなたはどちらのトレーダータイプでしょうか?


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| - | - | 16:44 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX上達のヒント 「正しいトレードの邪魔をする、人間特有の不合理な判断」
トレードは「合理的な判断」でやれば勝てるようになるのですが、
それは生身の人間が苦手とするものです。

テクニカル通りにやればいいのに
余計なことをやって負けてしまう。

それがトレードで勝てない根本的な原因なのかもしれません。
一言でいうと甘いのです。

以下は「合理的な判断」を阻害する「不合理な判断」を生み出す元凶です。
トレードでは、これらの考え方は捨ててください。


1  根拠のない期待と神頼み

「なにかいいことが起きそう」
「自分の人生には悪いことなど起こらない」

人間は楽観主義なところがあります。
トレードでポジションを取れば、それは利益を出してくれるだろうと
なぜか勝つことしか考えない。負けることは考えていない。
または、連敗しているときは「次は勝てるだろう」と期待する。
ポジションがマイナスになると、待っていれば状況が変わると期待する。
すべては根拠がなく不合理な考え方です。

前回のコラムで書きましたが、
「どこかに自分を助けてくれる神様がいるに違いない」という
唯心論者になっていると、この不合理に陥ります。



2  悔しさと意地と執着

「ロスカットされた! 悔しい! こうなったら勝つまでやめないぞ!」
「負けるもんか! 負けたお金を絶対取り返してやる!」

頭に血が上るとたちまち「合理的な判断」はできなくなります。
悔しさを晴らすために快心の勝ち方を求めたり、
何度もそれで痛い目にあっているのにも関わらず、
その行為をやめなかったりします。

たとえば、無茶なレバレッジで何度もロスカットにあっているのに
悔しさからハイレバレッジで勝つまでやめない。

たとえば、ショートで損切されたあと、
チャートが急騰しているのにもかかわらず何度もショートを繰り返す。

たとえば、マイナー通貨に手を出して乱高下にあって痛い目にあったのに
まるで敵討ちのようにその通貨で勝つまでやめない。

なぜなら、悔しさを晴らしてスッキリとしたいから。
このように感情に固執すると、視野が狭くなります。
視野が狭くなると、合理的な判断はできなくなります。



3  怠惰

「これをやればいいのはわかっているのだけどめんどくさくなってきた」
「おなかもすいたし、眠くなってきた。また明日考えよう」

それをやれば成功できるのに、めんどくさいのでそれをやらない。
ポジションを取ったあとにストップを置かない。
そのまま出かけたり寝たりしてしまう。
馬鹿馬鹿しいことですが、手法やリスク管理云々の前に
これが原因で負けてしまっている人が大半でしょう。

怠惰は合理的な判断に立ちふさがる、もっとも強大な敵です。



4  思考停止と人任せ

「世間的にはこうだから、そうなのだろう」
「あの人に任せておけば、大丈夫だろう、なんとかなるさ」

怠惰の派生ですが、自分の頭で考えられなくなってくると思考停止に陥ります。
思考停止に陥ると、世間的な常識や大衆の意見に盲目的に従うようになり、
自分の頭で考えなくなってしまいます。
ことトレードにおいては、人の意見を完璧に鵜呑みにしてしまう。
アナリストが上がるというから、ポンと買ってあとはほっておく。
そうなります。

しかし、「自分の頭で考えなさい」とよく言いますが、
それは、けっこう難しいことでもあります。
前提となる知識がないと、自分の頭では考えられないからです。

私も知識がない分野は、自分の頭で考えていないこともたくさんあります。
たとえばインターネットがいったいどういう仕組みでできているのか、
人並み以上に詳しくは知りません。
詳しく知らないと、たとえばウイルス対策においては、
有名なノートンやマカフィーといったソフトを
疑問を持たずに盲目的に使うことになります。
自分の頭で考えられている人は、自分の考えで構築した
専門ソフトの組み合わせやシステムを使うのではないでしょうか。

同様にトレードを自分の頭で考えられるようになるというのは、
トレードの知識を本などを読んで蓄え、
自分でいっぱい失敗して経験によっても「知る」必要があります。

その分野の知識を集める(収集)

実際にやってみる(行動)

自分の頭で考えられるようになる(オリジナル思考)

というステップを踏まないと自分の頭で考えることができるようになりません。
それができるまでは世間的な常識の枠から出られないのです。

思考停止すると、合理的な判断はできなくなります。
そうなると判断は人任せになるでしょう。
自分が暮らす社会や周りにいる人が不合理な判断をしているのなら、
当然、自分の判断も不合理になります。



5  遊び心と油断

「いつも同じではつまらない。たまには違うことをやろう」

人間は同じ作業を機械のように続けることができません。
やっている内に飽きてきて、別のことをやろうとする生き物です。
いつもと同じ通勤路ではつまらない、別の道をいこうと思う日もある。
それは「遊び心」があるからです。

人生においては「遊び心」は必要です。
そこから新しい発見をすることがたくさんあります。
違う道をいってみたら、新しい発見があり、そこから別の展開が起こるものです。

しかし、ことトレードにおいては、遊び心は油断につながってしまいます。
「いつもと同じじゃなんかつまらないな」
「たまにはこの通貨をやってみるか」
「利益をもっと望んでみようか」
「別の戦法を試してみようか」

と思った瞬間にリスクは増大しています。
新しいことをやるのは間違いではないのですが、
新しいことをやるときは、
前述したように必ず失敗があって、経験を積んで、
そして自分の頭で考えられるようになって、やっと成功するのです。

普段のトレードで遊び心があると、余計なことをたくさんしてしまいます。
余計なポジションを持ったり、普段使わないツールを試してしまいます。
もちろん新しい発見もあるからそれも悪くないのですが、
「遊び心」ができたら、それは実戦ではなくデモトレードでやりましょう。



他にも挙げていけばいろいろあるのですが、
人間はとても不完全な生き物であるということです。
機械的な合理性ですべてを判断することはできない。
不合理なことをたくさんやっているのが人間です。

別れればいいのに、人情から別れられない恋人同士。
間違っていると思いつつ、親の言いなりになってしまう子供。
頑張っている同僚がいるから、自分も頑張らなければとブラック会社に奉仕を続ける若者。
昔に10万円当たったことがあるからと、毎月1万円宝くじを買い続けている中年。
おかしな教祖と教義なのに、それに従う信者。
そして、常識に縛られて自由に考えられなくなっている大衆。

このように人生においては合理と不合理が混在しているものです。
私も日常では不合理なことはたくさんやっています。
なぜならば血の通った生身の人間なのですから。

しかし、トレードにおいては、
極力不合理なことはやらないようにすることです。
「いまやっているトレードは不合理ではないのか?」
と常に自問自答して、合理性を追求していきましょう。


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| - | - | 13:44 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX上達のヒント 「ストップ狩り現象の誤解と真実」
いわゆる「ストップ狩り」と呼ばれるものには、2つあります。

ひとつは、豊富な資金を持つヘッジファンドなどが、ストップロスが溜まっている場所まで、強引にチャートを進めるものです。

たとえばUSD/JPY 100.00などは、大勢の人が損切を置いているでしょう。

このように誰もが注目する切のいいプライスや、あるいは88.88とか0.777というゾロ目の場所にはストップが置かれやすいものです。そのほかサポートラインやレジスタンスライン、トレンドラインの接点もストップの宝庫です。

ヘッジファンドは独自の情報網によって、市場参加者がどこにストップを置いているかを把握しており、そのレートが近づくと、それ以上進む必要はファンダメンタル的にはないのにもかかわらず強引な売買を仕掛けて、無理やりストップを執行させるのです。

USD/JPY 100.00のストップがヒットすると、おそらく99.50くらいまで一瞬で下がるでしょう。最初のストップがヒットしたことでレートが下がり、あとは将棋倒しのように連鎖的にストップロスがヒットしてプライスは下落します。

ヘッジファンドはこうして邪魔者を蹴散らした上で、下がったところで悠々と買い戻してくるわけです。このような仕掛けの場面で初心者は「急落しているからこれは売りだ!」と考えて売ってしまいがちですが、それは見事に底売りになってしまうので、注意すべきでしょう。


さて、もうひとつの「ストップ狩り」は都市伝説のようなものです。

相対のFX業者が意図的に行っているとされるものです。

どういうことか、順に説明すると、

FXのレートというのは、インターバンク市場のレートが基準値です。インターバンクレートがbid 100.01〜ask 100.02だとしたら、FX業者はbid 100.00〜ask 100.03のように自社の利益をそのレートに乗せて顧客に提示します。そのためインターバンクレートよりスプレッドは拡大します。

つまり、インターバンクが卸問屋でFX業者が小売店と考えてもいいでしょう。FX業者はインターバンクから仕入れてきたレートに利益を乗せて顧客に販売しているというわけです。顧客が取引するたびにFX業者にその上乗せ分の利益が入り、それが業者の儲けになります。

さて、FX業者は、顧客がどのようなポジションを持っているか全部見ることができます。

USD/JPY 100.00にストップが多くあることがわかったとします。しかし、インターバンクのレートは100.02とかで微妙な場面にある。そういうときFX業者はスプレットを一瞬わずかに意図的に拡大させて、顧客たちの100.00のストップロスを執行させる。インターバンクのレートはそのプライスをつけていないのに、なぜか自分のポジションはストップに引っかかってしまって損をしてしまう。なんでそんなことをFX業者がやるかというと、ポジションを放置している客は利益を生み出さないからです。どんどんポジションを取ってもらわないとスプレッドの収入が入りません。だから無理やりポジションを解除させるのです。

これがいわゆるFX会社によるストップ狩りといわれるものです。

確証は取れません。しかし、FX業者のスプレッドが拡大してストップが狩られる事実は頻繁にあります。FX業者によってスプレッドは違いますが、マイナーな業者やマイナーな通貨を取引すると思いもよらないスプレッド拡大があるから注意が必要でしょう。

そもそもマイナーな通貨というのは元々スプレッドが広いです。そこに業者のスプレッドが加算されるわけですから、マイナーな通貨はリスク管理が難しいのです。

たとえばNZD/JPYなどは、週末引ける一瞬に業者によっては通常のスプレッド5pipsがいきなり30pipsも拡大している場合があります。思惑通りに進んで安心して寝ている間にそんなことがあり、起きたらポジションがないということが頻繁にあるでしょう。そして、自分のポジションを狩ったあとは、元のスプレッドに戻っているのだから、顧客にしてみれば「業者にしてやられた!」と思うのも無理はありません。

こうしたストップ狩りに懸念がある場合は、インターバンク直結型の業者にするのもひとつの手です。それはNDD業者(NO DEALING DESK ノーディーリングデスク)と呼ばれていますが、相対業者でもNDDサービスをしているところもあるので、調べてみるといいでしょう。

ただ、NDD業者はインターバンク直結ができることをうたっていますが、手数料が必要だったり、約定がしにくいデメリットなどもあります。また先月のスイスフランのような急激な変動のとき、相対業者はレートを凍結するなどの処置をとりましたが、インターバンク直結だとそういうのがないためとんでもないプライスで約定するケースもありえます。相対もNDDも一長一短ということでしょう。


さて、私が思うに、ヘッジファンドのストップ狩りはありますが、FX業者のストップ狩りはあるかどうかはわかりません。もしかしたらやっているところもあるかもしれないのですが、その多くは負けた人の思い込み=誤解がほとんどだと思うのです。

というのも、相場というのは天井や底に向けてピークを描くようにして進んでいくのですが、ピーク時のときは一瞬で大きく動くのが相場の常であるため、ピーク時はインターバンクレートが常に拡大しているからです。

元のレートが拡大したところに、さらに相対業者のスプレッドが被せられるので、bitとaskレートは掛け算のように拡大していきます。というわけで、相場がピークをつけるときは、必然的に大勢の参加者のストップが狩られてしまうということです。

なお、相場がピークをつけるというのは、すべての「足」で見られる現象です。1分足レベルでのピーク、1時間足レベルのピーク、日足レベルのピーク、月足レベルのピークと、どの足でみてもピークを付ける値動きがあり、そのときは短時間で急激に動くし、スプレッドも拡大するものです。

1分足でのスキャルをやるトレーダーなら、ストップは-5pipsなどでしょう。しかし、1分足でピークを付けるような値動きのときは、スプレッドが1pips余分に開いたりするものです。それだけ開けばスキャルトレーダーは不利になるし、強引にストップに引っかかることも多くなるでしょう。

日足レベルのスイングトレーダーだって同じことです。先月のスイスの騒動のときはスイスフラン円のスプレッドは100pips以上もありました。こんなに開いたらどんなストップも自動的に刈られてしまうでしょう。

図にして説明すると、こういうことです。ピーク付近ではヘッジファンドの仕掛けにより元々の為替の変動も急激になるし、それに伴ってインターバンクのスプレッドも拡大、さらにそれにともなって相対FX業者のスプレッドも拡大というトリプルコンボになっているため、ピーク時には大勢のストップが刈られてしまうのが常です。





というわけで「いきなりスプレッドが拡大して狩られた!」というのは、相場がそのときピークをつける値動きだったから仕方ない出来事であるということです。FX業者が意図的にやっていることではありません。それは相場の常です。短時間で突然大きく動き出す相場になったら、スプレッド拡大によるストップヒットは頭に入れておきましょう。業者にやられたというより、相場にやられたと思ったほうが無用な怒りを抱かずに済みます。

なので、ボラティリティが大きくなっている相場ではレバレッジを落としたほうがいいということです。限界のレバレッジでやっているとピークをつける値動きで簡単にロスカットになってしまいます。ハイレバレッジでやるのならストップは狭めておく必要があるでしょう。このストップにはヒットしないだろうと思っていても、上記の理由によりストップは強引に狩られてしまうことが多いものです。

なんにしてもポジションを持ちっぱなしにせず、利益がでているのなら利食いすることが肝要です。持ちっぱなしにするということは、突然の急変動+スプレッド拡大のコンボによってストップがヒットする可能性を高めて続けていることにもなります。特にデイトレードなら、朝方や週末の期間はポジションを持たないようにしたいものです。市場が閑散するとインターバンクレートも広がり、それに合わせて掛け算的にFX業者の提示するレートも拡大して、強引な損切が起こってしまうものですから。


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| - | - | 14:53 | category: FX上達のヒント(コラム) |
# FX意識改革106 「流れの正体と流れを利用するトレード方法 その2」
前回は勝負の「流れ」には
「デジタルな流れ」=偽物の流れと
「アナログな流れ」=本物の流れがある

という話をしました。

コインの裏表を当てるゲームで連勝連敗が続くのは、
「デジタルな流れ」であり、人間の意志では利用できない故に勝てない。

麻雀などの対戦ゲームで連勝連敗が続くのは、
「アナログな流れ」であり、人間の意志で利用ができる故に勝てる。

というわけでしたね。


つまり「デジタルな流れ」というのは、ランダムウォークであるということです。

ランダムウォークは酔っぱらった人の千鳥足のように、
次にどちらに動くかはまったく予測不可能であるという理論です。

サイコロを投げて出目を当てるような博打では、
出目は予測不可能なランダムウォークになりますから、
絶対に勝つことはできません。

一方で麻雀やポーカーのような、人間同士がやるゲームなら、
勝敗はランダムウォークにならずに勝機が見出せると前回書きました。


ただし、例外もあります。
勝負事は人間という血の通った生き物ではなく
効率を重視する冷徹なロボットがやると、
その勝敗はランダムウォークに近づいていく、と私は考えています。

麻雀の勝敗も状況によっては、ランダムウォークのようになるのです。
どうすればランダムウォークに近づくのかというと・・・

・自分の手役つくりに全員が100%集中する
・最短距離で上がりを目指す
・相手の捨て配は気にしない
・相手への振込などは一切考えない

つまり、全員がいわゆる「全ツッパリ」の麻雀をすると、
心理戦の要素が排除されたデジタル色の濃いゲームになります。

全員が最短距離で上がりを目指すようになった場合は、
要は手配の良し悪しが、勝敗を左右することになります。
手配の良し悪しは完全にランダムなのですから、その影響がより強くなるので、
勝敗は予測不可能なランダムウォークに近づくでしょう。
つまり、長い目で見たら勝つことができない運勝負になってしまうのです。


昨今、麻雀はネットでやることが多くなりましたね。
ネットでやる麻雀は相手の姿が見えないし、息遣いが感じられません。
賭けているのはただのデジタルな点数であり、身銭ではありません。
そういう状況では、恐れがまったくありませんから、
全ツッパリのプレイヤーが多くなるのは必然です。

相手のことはどうでもいい。ただ気持ちいい役を作り、気持ちよく上がりたい。
ストレス解消のためにゲームをしている人が多いのですから、
ネットの麻雀ゲームではそうなりがちでしょう。

このように考えている人たちが集まると、勝負の流れは一気にデジタル化していきます。
ただのスタート手配の良し悪しを競うという、まるでコイン投げのような
無味乾燥な運勝負のゲームに様変わりしていくのです。


同様に野球のようなスポーツでも、能力が同じロボットのチーム同士でやるのなら、
ランダムウォークのような無機質な勝負になってしまうでしょう。
スポーツはやっぱり人間同士の戦いで生まれるドラマを見たいのです。
それをプレッシャーもなくミスもしない優秀なロボットがやったら、
とっても味気がなくなるし、勝敗はコイン投げゲームのようにランダム化してしまいます。
すると、とたんにつまらなくなるはずです。


このように機械が人間の勝負に割り込むという現象は、
将棋の世界では実際に起こっています。
プロ棋士とコンピューターが対決する「電王戦」なるものが始まりましたが、
将棋ファンはこれに賛否両論です。

否定派の意見は、将棋というのは人間同士の戦いである。
その中に生まれるドラマを見たいのだ。というものですが、私もこれに賛成です。

今は電子頭脳にも優劣や不安定な所があり、人間との勝負の面白さを保っていますが、
技術の進歩によって、いずれは電子頭脳が圧勝する日がくるはずです。

そうしたら次は、電子頭脳同士の対局になると思いますが、
電子頭脳も行きつくところにくれば、その勝敗は五分五分になってしまうでしょう。
技術が同等で、ミスをしないのなら、その勝敗の結果はランダムウォーク化します。
高度に効率化されていくと、やがて電子頭脳には個性がなくなっていきます。
そのような勝負は味気ないものになり、廃れていってしまうと思うのです。



さて、話が長くなりましたが、トレードについて語りましょう。


相場は、果たして「デジタルな流れ」でできているのか?
つまり、ランダムウォーク理論で動いているのか?

ランダムウォークであれば、勝つことは不可能。
ランダムウォークでなければ、人間心理が生み出す流れを利用して勝てる。

ということになりますね。


相場も前述したように、
参加者全員が最善手を目指すミスをしないロボットであるのなら、
相場での勝負はランダムウォーク化していくと私は考えています。

実際、相場ではシステムトレードが増えてきているわけで、
機械に投資させている大手ファンドもあるから、
ランダムウォークの色合いが強くでる局面もあると考えています。

ランダムウォークが強まるときは、主に相場が平常のときです。
システムを管理する人間が平常心でいられて、
相場になんのサプライズもないような場面です。そのような相場では、
裁量トレーダーは流れが読めないので利益を出しにくいものです。


しかし、大きなニュースなどで相場が活気づくと、
生きた人間の欲望が相場に交じってきます。
人間の欲望と恐怖が交錯しだした途端、相場は突然大きく動くものです。

どんどん上がっていく、またはどんどん下がっていくような
ランダムウォークでは考えられないような偏った流れが実際に現れる。
それが「アナログな流れ」なのです。

つまり、相場には「デジタルな流れ」を形成している局面もあるし、
「アナログな流れ」を形成している局面もあるということです。
「デジタルな流れ」は屑の山、「アナログな流れ」は金脈と考えてもいいでしょう。



さて、相場は「デジタルな流れ」と「アナログな流れ」が入り乱れている、
と考えてみましょう。そこで勝つにはどうするか?

基本は確率ベースの手法で戦います。
リスクリワード比率をキッチリ決めて、勝ったり負けたりを淡々と繰り返していきます。

「デジタルな流れ」の局面では、当然ながら勝ったり負けたりが続きます。
勝敗はただ揺れ動くだけであり、結局はトントンになるでしょう。

しかし、その局面はトントンでしのげばいいのです。
トントンでしのぎながら「アナログな流れ」が起こるのを待ちます。
つまり様子見程度の勝負を繰り返しながら、大きなチャンスを待つのです。

その内に「デジタルな流れ」から「アナログな流れ」に切り替わるときがあります。
買いの勢いが強烈になり、どう見たって上がるしかないようなトレンド相場がそれです。

このような「アナログな流れ」に切り替わったら、
確率ベースの手法に裁量によるひとさじの隠し味を加えていきます。
つまり、その流れに乗れたときは利を粘るようにしていくのです。
こうすることで高い利益率を収めることができます。



問題は、どうやって「デジタルな流れ」と「アナログな流れ」を見極めるのかですが、
これは単純に需要が多い場面は「アナログな流れ」になりやすいと考えましょう。

市場参加者の誰もがドルを求めている、あるいは円を求めている、
というようにある通貨の需要が大きくなるケースは毎日あります。
日替わり定食のごとく、通貨の需要も日替わりで変わるのです。

たとえばこの前のECBの量的緩和ではユーロを売ってドルを買う重要が増えました。
このようなときは完全に「アナログな流れ」になります。
血の通った人間が「これが欲しい!」「これはいらない!」と強く思うから、
ドル買いユーロ売りが続いていくことになります。


また、このような需要がいつ起こるのかといえば、これは簡単です。
主要市場のオープン前後の3時間くらいの間に、その需要はピークになります。

具体的には冬時間でいえば、
日本市場オープン前後の8時〜11時
欧州市場オープン前後の16時〜19時
米国市場オープン前後の22時〜1時

この時間帯は参加人数が増えるし、通貨の需要も格段に増します。
たくさんの血の通った欲望むき出しの人間が相場に殺到する時間帯です。
するとそこに人間心理が発生し、「アナログな流れ」が形作られるのです。

逆に「デジタルな流れ」、ランダムウォークの局面というのは、
参加者が少ない閑散相場のときが当てはまります。
具体的には上記の時間外です。
特定の通貨に対しての強い需要もない、いわゆる「なぎ相場」
そういうときは休んだほうがいいでしょう。

無理にトレードしても、そこでの流れはデジタルな幻で捕まえることはできませんし、
需要が少ない相場ではどう張っても勝敗は50%近くになってしまうものです。

なお、これはデイトレードスパンでの判断です。
スイングトレードを重視するのなら、月レベルで需要が増す日を考慮しましょう。
月末月初は需要が増えて、「アナログな流れ」が強くなるものです。
特に期末なんていうのは、締め切り間際に殺到する人間の習性が強く出る日ですから、
自然に「アナログな流れ」になり、強く一方方向に動きやすくなるものです。
なのでスイングトレードなら月半ばにやるよりかは、
月末月初にポジションを持つほうがいいと私は考えます。


というわけで、我々専業トレーダーは何に勝機を見出すかというと、
麻雀にたとえたように、人間心理にそれを見出しているのです。

生きた血の通った人間が相場で喜んだり恐怖したり嘆いたりする。
そのときに生まれる感情的な値動きを取るということです。

つまり、相場は感情エネルギーで動いているのであり、
相場のチャートは、市場参加者の心理のバロメーターと同じようなものです。
人間の感情が強くなる局面に勝機が生まれるのです。


まとめると前回書いた「ツキや流れを呼び込むトレード方法」とは、

・相場が小康状態のときは、勝ったり負けたりの五分五分の勝負で良しとする
・相場が動いたときには、人間心理を利用することを心掛ける
・相場が動くときというのは、特定の通貨の需要が増したときである
・通貨の需要が増すときというのは、人が集まる主要市場が開く時間帯である


ということです。この点に注意してトレードすれば、
トレードの成績は良くなるはずです。


蛇足でいうと、機械が行うシステムトレードでは、
現在の相場の流れが、アナログかデジタルなのかを判別することはできません。
どんな相場も均一のアプローチ方法でトレードするので、
腕のいい裁量トレーダーに比べると成績は落ちます。

なぜなら、機械では「アナログな流れ」がきているチャンス相場でも、
それが判定できずに、薄利を積み重ねるようなトレードを行うからです。
儲けられるときにガッツリ儲けるということができないと、
いつか深いドローダウンに見舞われて資金が枯渇してしまうものなのです。

裁量トレーダーにとって「アナログな流れ」は金脈です。
わかりやすいアナログな相場(つまり強力なトレンド相場)でガッツリ貯金をして、
よくわからないデジタルな相場(つまり乱高下の相場)はトントンでしのいでいく。
そしてまたアナログな相場に出会ったら、ガッツリ稼ぐ。
その繰り返しで、裁量トレーダーは利益を上げているのです。
 


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