「損切しても、損切貧乏になってジリジリと負けていくのではないのか?」
と疑問に思う方がいらっしゃるでしょう。
もちろん、相場経験が浅いうちはそうなります。
しかし、トレードは、損切しながら勝たなければならない。
これが大前提です。スポーツでいえば競技のルールなのです。
そして、損切しながら勝てるかどうかは、あとは腕の問題である。
ということなのです。
損切がキッチリできるようになっても、無策で100回トレードをやれば、
30勝70敗というような散々な成績になると思います。
(リスクリワード比率が五分五分の場合)
けれども、それがスタート地点です。
そこからテクニカルツールを使い相場を分析する技術を高めていく。
値動きに合わせて利食いや損切を調整する技術を高めていく。
その努力を積んでいくに従って、次第に負けなくなってきて、
40勝60敗から、やがて50勝50敗になり、そして60勝40敗になる・・・
だんだんと勝ち数が上回っていることになります。
ただ、どれだけ努力を積んでも、相場で全勝・完勝することなどありえません。
中には微損や微益で終わった引き分けのようないまひとつのトレードも多くあるでしょう。
それらを含めていくと、6、7割の勝率が限度だと考えるし、
また、そのくらいの勝率を残せれば御の字なのです。
たとえば、ドル円10枚のトレードで、利食い+10pips、損切-10pipsに設定して、
勝ったら1万円、負けたら1万円のトレードをやるとします。
勝率60%の実力があるのならば、
ひと月に100回トレードするとして60勝40敗で+20万になります。
そのくらい儲けられたら御の字ということです。
これがトレードで勝つということなのです。
まずは、儲けを度外視して、
勝ったり負けたりができるようになることが、ステップ1
つまり、トレードを続ける、ポジションを回転させる技術をまず身に着けること。
簡単に書きましたが、このステップ1ができるようになるまでには、
人によっては10年かかるかもしれません。
なぜなら、証拠金額が自分の精神力的な限界を超えていると、
いつまでたっても損切ができないからです。
損切ができないとポジションは塩漬けになり、
トレードはそこで中断することになります。
ポジションを取る(エントリー)、または外す(損切・利食い・手仕舞い)といった、
基本的なことができないと、トレードは回っていきません。
トレードを回転させられるようになったら、
次は勝率を上げていくことが、ステップ2です。
これにはエントリーの絞り込みと、エントリーを待てる忍耐力も必要です。
前者はそれほど難しいことではないのですが、
後者はステップ1とリンクしており、
損切ができていないとエントリーもしっかりと待てないでしょう。
というわけで、なかなか勝てない人へ贈るアドバイスとしては、
まずは、損切貧乏になってもいいから、損切を実行できるようになりましょう。
そのためにはトレードの規模を自分の能力範囲に収め、
身の丈に合わせた範囲でトレードを行うことです。
損切ができないのであれば、
トレードの規模を縮小してみることから検討してみましょう。
損切がしっかりできないと、いつまでたっても先に進めないのです。
最近似たようなことばかり書いてしまっていますが、
結局、トレードで勝つには、損切ができるかどうかに尽きるのです。
武道には「礼に始まり、礼に終わる」という言葉があります。
これは、何事も礼儀が大切であること。
そして、敗者を軽んじた態度を取ってはならないという意味です。
トレードもまた、損切に始まり損切に終わる。
損切こそが大切であり、損切を軽んじた態度を取ってはなりません。
トレードの始めから終わりまで、
いつでも損切をすることを忘れてはいけません。
それを肝に銘じてやりましょう。
※ご参考になったら押してあげてください↓