連日報道されていますが、舛添都知事を見ていると、
改めて「ケチ」について考えさせられます。
ケチになってしまうと人心はどんどん離れていくものです。
たとえば、遺産相続。
これは、兄弟が多ければもめるでしょう。
親の面倒を見なかった人に同じ額を分けるのはおかしいとか、
いや、自分は法律的にもらう権利があるとか、こうしたいざこざは必ずあるものです。
お金を発端に仲の良かった兄弟が引き裂かれ、
兄弟が危篤になってもお見舞いにもいかない、死んでも葬式にもでない、
そしてそのまま先祖から続いていた関係が、
あっけなく絶縁になってしまうことも珍しくありません。
このような状況になってしまうのは、やはりお金の欲が強いからです。
みんなが欲しいと思う遺産。
しかし、ここで長男が
「俺は少なくていいから、気にせずみんなで分けろ」と言ったらどうなるでしょうか。
まあ嫁さんは怒るかもしれないですが、
むしろ長期的に見たらいろいろメリットのほうが多いでしょう。
そのような大らかな対応をすれば、まず兄弟は長男に感謝します。
なんて器の大きい人間なんだと思ってくれます。
今後も気持ちよく兄弟は仲良く暮らせるでしょう。
いがみ合って少しでも多くのお金を貰おうと画策するよりも、
気前よくして気持ち良い人間関係を持続するほうが価値が高いのではないでしょうか?
そういう私にもケチな部分は結構あります。
だからこそ、ケチりたくなったら、逆にお金を出すようにしています。
たとえば冠婚葬祭。
ご祝儀や香典をケチりたくなることも多くあります。
でも、そう思ったら、むしろ相場より少し多めに出しておくようにします。
これは見栄っ張りというわけでもないですが、
そうしておけば、先方はいつでも機嫌良く接してくれるからです。
そちらのほうが少しの金をケチるよりもメリットがあるからです。
だから、冠婚葬祭は気前よく払ったほうがいいのです。
他にもいろいろとお金をケチりたくなる場面はたくさんあるでしょう。
会社を経営していて外注にお金を払うのであれば、
ギリギリまで支払いを遅らせるのが普通でしょう。
でも、そんなことをすれば、外注に「あのクライアントはケチだ」と思わるし、
モチベーションが下がり、いい加減な仕事しかしてこなくなります。
悪いうわさが立って、能力の高い人は寄り付かなくなるでしょう。
反対に先払いでもしてやれば「なんていい会社なんだ」と一生懸命やってくれるはずです。
会社の評判が良くなり、能力の高い人がやってくるでしょう。
こっちのほうが明らかにメリットがたくさんあります。
しかし、「お金を渋る」より「気前よく支払う」と考えるのは、
宇宙人的というか、世間では間違いなく少数派です。
ややもすると、そんなことやるのはアホじゃないかと思われます。
しかし、ケチは度が過ぎると、舛添知事のように人心を失うことになります。
知事もケチケチせず、全部自腹で払えばよかったのにと思うのです。
そのほうが公費を節約して、自腹で払うなんて立派だなと逆に尊敬されるわけですから、
ケチって公費を私用に使うよりも、もっとたくさんのメリットがあったはずです。
こういうのは諺で「損して得を取れ」とでもいうのでしょう。
目先だけの得を考えるとかえって大きな損をすることがあり、
逆に今の損を我慢すれば最終的に大きな得を得ることがある。
という意味です。
相場でトレードしていると、似たようなことを感じます。
お金にケチケチしている人は、間違いなく相場に嫌われます。
たとえば少しの損切だってしたくない人は、あとでもっと大きい損がまっています。
逆にケチケチせずにすぐ損切しておけば、
そのあとで大きな流れに乗れて、大きく儲かることも多いものです。
「ケチりたくなったら、むしろ気前よく払うべし」
これも相場の逆説というもので、相場格言でもあります。
転じて人生訓ともいえるものではないでしょうか。
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