今日はスポーツにおける「技術」と「戦術」を引き合いに、
トレードが上達するコツを話したいと思います。
トレードが上手くなっていく過程というのは、
スポーツが上達する過程とまったく同じです。
そろそろオリンピックが始まりますが、
たとえば石川佳純や福原愛が出場する卓球が上手くなりたいとすればどうすればいいか?
卓球をやり込んでいる知人からどうやれば、卓球が上手くなるかを聞きました。
それは、まずは卓球の技を習得すること。
そして、次に自分の頭で戦術を考えることです。
卓球の技には、
ドライブ
スマッシュ
ツッツキ
フリック
ストップ
各種サーブ(下回転、横回転、上回転)
と、いろんな技があり、それはフォアハンドとバックハンドがあります。
フォアハンドのドライブと、バックハンドのドライブは腕の振り方が違います。
さらに通常回転のボールと下回転のボールでは、
同じドライブでもラケットを振る確度が違ってきます。
これらの技ひとつひとつを正確にできるようにならなければいけません。
そのためには、ひたすらその技を使うシーンに応じて
10回、100回、1000回と反復練習していく。
1000回くらい対人練習をやれば、自信を持ってその技を使えるようになり、
その技=技術を試合で使えるレベルになってくるでしょう。
さて、全部の技を使えるようになってから、
やっと「戦術の組み立て」が実行できるようになります。
いわばここまでは将棋にたとえたら、
それぞれの駒がその通りに動けるようになったという段階に過ぎません。
将棋の「王」は最初から全方位に動けますが、
もし、自分の操る王が特定のマスにしか動けないのだとしたら、
それは将棋にならないでしょう。
これと同様に卓球の場合も基礎的な技をすべて使えるようにならないと、
それは卓球にならない(まともな試合にならない)というわけです。
基礎的な技を使いこなせるようになって、
初めてゲームプランを考えることができます。
たとえばこんな風に。
1 自分がショートの下回転サーブを相手のバック側に出す
2 相手がそれを短めのツッツキで返す
3 自分がそれを強めのツッツキで相手のバックの深い所へ返す
4 相手が詰まって緩いドライブで返したところを・・・
5 自分が相手の逆サイドのフォアを狙ってスマッシュしていく
・・・というような技の組み立てから、
ゲームプラン=戦略が実行できるようになるのです。
実は卓球の面白さがわかるのはここからなのです。
中学レベルの部活動ならば、基礎技の習得に丸々1年はかかることでしょう。
だから戦略の組み立てを考えられるのは2年目になってからだと思います。
しかし、キチンとした指導者のいない部活動であれば、
おそらく大多数は3年の部活動ではそこまではいかずに、
よくわらかない内に、基礎技の習得の途上で終わりになるのではないでしょうか。
フォアのドライブは打てるようになったけど、あとの技術は3割程度しかできない。
すると相手のサーブをまともにレシーブすることができずにラリーにすらならない。
自分の頭で考えたゲームプランは、技術が未熟だからまったく実行できない。
これでは卓球の面白さを知る前に、誰もが途中で止めていくでしょう。
最初にそのスポーツの技術体系の全体像を知り、
個別の技術の習得の目標を掲げる。
そして、それをひとつずつ段階的に着実に身に着けることによって、
選手のモチベーションと実力が上がっていくのです。
やればやるほどできることが増えていき、実際にうまくなるのだから、
「もっともっと、うまくなりたい」と練習に励むようになるはずです。
卓球を例にしましたが、野球、バスケ、バレー、テニス、サッカー、ゴルフ
なんだって同じだと思います。勉強だって仕事だって同じだと思います。
まずは個別の技術の習得。
様々なシチュエーション別にこれらの技術を正確に使えるようになること。
そしてそれができてから、
やっと自分の頭で考えた戦術が実行できるようになるのです。
何度も繰り返しますが、
ステップ1が、技術の習得であって、
ステップ2が、戦術の実行です。
ステップ1をクリアしていなければ、ステップ2には絶対進めません。
ステップ1をクリアしていない内に、ステップ2を考えるのは机上の空論なのです。
さて、トレードの上達過程もこれらのスポーツが上達するようになるのと
理屈は同じです。真っ先にやることは、基礎の技術の習得です。
トレードの基礎技術は3つです。
具体的には、エントリー、利食い、損切です。
この3つがちゃんとできるようになることが大事です。
メルマガなので簡潔に述べますが、
エントリーでは、テクニカルサインに基いたポジションを持つことが重要です。
適当にポジションを持ったり、待つべきところまで待てずに
焦ってエントリーしたりするようならば、
それは「エントリーの技術」がキチンと身についていないということです。
利食いでは、自分が決めたリスクリワード比率における
リワードのゾーンに入ってきたら、利食いをしなければなりません。
利食いがうまくできない、いつも見逃してしまうというのならば、
それは「利食いの技術」がキチンと身についていないということです。
損切も、自分が決めたリスクリワード比率における
リスクゾーンに入ってきたら、ちゃんと損切することです。
損切をスルーしてしまったり、待ちすぎて傷口を広げてしまうようならば、
それは「損切の技術」がキチンと身についていないということです。
・・・こうしたことは、先の卓球における基礎技の習得と同じなのですね。
何十回何百回とこの行為をやっていくことで、
やっと、本番でそれが自信を持ってできるようになってくるわけです。
ところが、市場参加者の大多数はこれらの基礎的な「技術」を習得できていません。
自信をもってエントリー、利食い、損切を行っている人がどれくらいいるでしょうか?
ほとんどのひとが、おそるおそるエントリーして、
適当に利食いをしているのではないでしょうか?
おそらく損切一つも満足にできてはいないでしょう。
一口に損切といっても、いろいろな損切がありますよね?
エントリーしたあとに、完全に逆行してから切る損切、
相場が停滞したときに仕切り直しで切る損切、
最初は利が出ていたのに、損になってきてしまったときに切る損切、
指標などで不意をつかれて一気に大きく損になったときに切る損切、
・・・というように一口に損切といっても、
シチュエーションごとにいろいろな損切の種類があります。
みなさんは、どんなシチュエーションでもしっかりと損切がきますか?
誰でも苦手な損切っていうのがあるでしょう。
たとえばエントリー後にすぐに逆に進んだときの損切はスムーズにできるが、
最初は利が出ていたのに損になってきたときの損切はどうも躊躇してしまう。
といったように苦手な場面というのがあるはずです。
先の卓球にたとえたら、
相手の通常回転の返球に対してのドライブはできるが、
相手の下回転の返球に対するドライブは苦手だ。
というように、同じ技術であってもバリエーションの技術ができていない。
そういう状況と似ています。
そうであれば、苦手なシチュエーションの練習を重点的にやっていかなければなりません。
苦手な状況でもキチンと損切ができるようになるまで、損切をする練習を続ける。
トレードでは、エントリー、損切、利食いの3つしかアクションがありませんが、
これが相場のシチュエーションごとにスムーズにできるようにならなければなりません。
そこまでが「技術」レベルの話です。
これがキチンとできてからやっと、次の段階の「戦術」レベルの話ができるようになるのです。
技術が身についていなければ、戦術=トレードプランも意味がありません。
そのプラン通りに利食いや損切ができないのだったら、
それは絵に描いた餅にしかすぎないからです。
というわけでトレードが上手くなるには、まずは基礎技の地道な練習が必要なのです。
何度もエントリー、何度も利食い、何度も損切。
いろいろなシチューション別にそれができるようになることが先決です。
いつまでも勝てない人は、結局は基礎の技術が身についていないということです。
で、上手くなるにはどうしたらいいかと人に聞くのですが、
「それは何十回、何百回と練習するしかないよ、ひたすら練習あるのみだ」
と言われて不満に思うのですね。
彼らはもっと楽をして勝てる方法があるに違いないと思っているし、
そう言われると子供だましのような嘘をつかれているようにも感じるはずです。
しかし、ここが肝心なところなのですが、
トレードに勝つということは「結局は、そういうもの」なのです。
残念ながら、何十回、何百回と地道な練習するしかないのです。
トレードの技術も何度も練習して身に着けるものなのです。
それはスポーツの技術の習得を考えたらよくわかりますよね。
卓球部の新入部員が、素振りもなんにもしないで、
「すぐに試合に出たいのです。
ところで僕は何の技術もできないのですが、どうすれば勝てますか?」
というようなものです。
先輩は何を甘いことをいっているんだ! まずはフォア打ちの素振りから毎日1000回やれよ!
と新入部員を怒鳴り飛ばすはずです。誰だってそうなることはわかるでしょう。
しかし、これがトレードになると、
知らず知らずのうちに誰もがそんな態度の大きな新人君になってしまうのです。
自分だけが何の練習もしないで、技術を身に着けてなくても、
なんとなく運や才能で勝てるんじゃないか、なんとなく上手くいくんじゃないか・・・
市場に参加すればたちまちそんな誇大妄想にとりつかれてしまう。
自分の練習不足を棚に上げて、うまく勝てないことをただ不満に思う。
そしてトレードの面白さがわからない内に諦めていく・・・
地道に技術を習得する必要があるといっても、
トレードの技術はスポーツに比べるとシンプルです。
やることはそんなに多くありません。
デモトレードで練習していけば、
3か月くらいでスムーズなエントリー、利食い、損切はできるようになってきます。
本番のトレード中で、エントリー、利食い、損切がうまくできないのならば、
それは単純に練習不足で技術が身についていない、
だから自信をもってやれていないということです。
だから、ひとつひとつの技の精度を練習で上げていきましょう。
そしてその3つが高い精度でできるようになってくれば、
トレードは俄然と面白くなってくるはずです。
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