この記事を書いているのは、28日金曜日の11:00頃です。今週後半はドル高が強まる状況になりました。特に一昨日辺りからは強い買いが入っています。しかし、それは毎度恒例の月末需要というものです。たいてい25日くらいから買いが入って、30日前後で利食いが入って反落する。それがここ数年のパターンになっています。来月頭からは雇用統計や米大統領選挙が絡んでくるので、さらにボラティリティが増すでしょう。USD/JPYは大きな値動きになってきたので、大きい足、週足から順にチェックします。
USD/JPY 週足
週足を見ると、ピンク線が直近の下降トレンドラインでしたから、これを抜き始めたところから徐々に買いが入り105円の節目まで昨日戻りました。しかし、このままスンナリ上がるかどうかは難しい所です。週足としては垂れ下がる茶色のMAやRSI50%の節目にあるので、下から買っていた人は利食いのポイントだし、昨年105円辺りで買った人はまた100円まで落ちたらたまったものではないと「やれやれ売り」をしてくるポイントでもあります。フィボナッチ的にも節目にあるでしょう。
というわけで週足は現在は抵抗線上にあります。ここを抜けるには来月頭の雇用統計や米大統領選挙のイベントの力が必要になりそうで、抜けてくれればこの図のフィボナッチの38%の110円辺りまでは進んでいきそうです。反対に今日あたりから伸び悩み、今は陽線ですが、これがヒゲで押し戻されると、一転してまた100円を目指すような急落が起こり得ます。つまり、分岐点上にあるのですね。週足としては、来月頭の動向をよく見て動いてきた方向に仕掛けていくことになります。現状の抵抗線を手掛かりに一度は売りで入るのも良いでしょう。
USD/JPY 日足
その下の日足を見ると、レンジの直近高値を越してきました。なので、日足だけ見ていると高値を突破したので、これはブレイクだから買いだ!と判断するかもしれません。しかし、この上の週足が抵抗線上なのですから、週足としては重要なポイントをブレイクしておらず、反落する可能性も高いところです。具体的にはこのあとまた104円前半まで押し込まれてきた場合、aのピンクの線で支えきれないと反落します。そのときは今週半ばから買いで入っていた向きが「やっぱりだめだ上がらない」と一斉に撤退するから、茶色線を一旦割り込むくらいまで、bの辺りまで落ち込むでしょう。しかし、そこまで落ちると、このチャートは長い間上がっていたわけなので、押し目を拾ってくる勢力があります。
だから、買うのだとしたら現状からピンクの線を手掛かりに買って割ったら即撤退か、あるいはbくらいまで落ちたところで拾って短期的なリバウンドを狙うのが良いでしょう。高値で買うほうが不利なのですから、現状から買いでいきたければ落ちたところを拾うべきでしょう。一方で、売りたいのだとしたら、ピンクの線を割り込んできてから売りで入るアプローチになります。現状から売るのもまあ悪くはないのですが、まだ勢いがあるのでスンナリ落ちてくれるかどうかは判断つかない場面です。このように急騰したときはピンクの線を手掛かりにして、そこを割るまでは買いが優位、割ったら反落する、と考えてアプローチしていきましょう。
USD/JPY 4時間足
4時間足は前回記事で描いた放物線の抵抗線を抜けてきました。テクニカルとしてはaの位置でピンクの抵抗線を抜け、RSIも50%以上になりました。そしてゴールデンクロスが起こってからは、持続的な買いが入りました。bの位置で支えられたことによって、昨日一気に105円まで伸びてきたところです。
しかし、現状のcからさらに買うのはどうでしょうか。週足としてはこの辺りが天井です。4時間足としてもRSI70%に到達しているから、aやbで買っている人は利食いしてきます。だから多少落ちるでしょう。しかし、昨日あれだけ上がってきたので、少し落ちたら図のように支えられてダブルトップを描くルートも十分に考えられます。その押し目買いが来たあとに、また現状の位置で叩かれると今度は大きく落ちることになるでしょう。4時間足としてはRSIを根拠に現状からやや長い目で売りを入れていくほうが優位と考えます。ただ日足の解説で触れたようにピンクの線を割ってから売るのがベターです。買い手としては、104円前半まで来た時、茶色の線辺りで押し目を拾って、105円手前で利食いするようなプランで臨みます。
まとめると月末需要でUSD/JPYは105円前半に到達しましたが、ここが大きな壁です。ごく短期的には押し目買いもあるでしょう。けれども、数日のスパンでは、一旦は売りが強まると考えています。
※チャート設定はアドバンスドホーミングFXに基きます。
(当ブログで紹介しているボリンジャーバンド等はこの教材独自の設定なのでご注意ください