トレードで勝つには、やりたくないことがありますね。
具体的には損切でしょう。
損切は生理的に守るのが嫌なルールです。ですから大勢の方は損切ができません。
故に勝てません。
プロは嫌な損切をやることができます。
故に勝てるのです。
ではなぜ、プロは損切ができるのでしょうか?
その説明をするには、人間とは何を求めて動くのか?
その動機はなんなのか?といったそもそもの原点から話す必要があります。
人間の行動原理とはなにか?
それは、エゴ=欲望なのです。
平たくいえばみんな自分が「気持ちよくなりたい」が為に行動をしているのです。
ただ、「気持ちよくなりたい」には、いくつかのタイプはあるでしょう。
単純なところでは、食欲、睡眠欲、性欲、などは原始的な気持ちよさのために突き動かされます。
美味しいものを食べたい飲みたい。疲れたら寝たい。
気持ちよくなりたいが為にそれを欲する。
この原始的な欲求は、誰の目にも良く見えるから、
度が過ぎれば、道徳的に醜い欲求とされています。
キリスト教は七つの大罪として戒めていますね。
その原始的な欲求に資本主義が絡んでくると少し複雑になり、
「気持ちよくなりたい」原理にお金や名誉が結びついてきます。
嫌な仕事をするのは、なんででしょう?
それは、お金が欲しいからです。
お金で欲望が満たされるのだからこそ、嫌な仕事をやるのです。
仕事を頑張ればお金が手に入り、出世の名誉も得られます。
名誉を欲するのも、皆に認められていい気分になりたいからです。
この金欲や出世欲も、度が過ぎるとやはり醜いものとなり、
周りから拝金主義者と蔑まれることになります。
仏教でも、財欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲の五つの欲望は戒められています。
このように「欲」が強く出ると周りに叩かれる。
でも「気持ちよくなりたい」という原始的な欲求は決して消えやしない。
かといって、それをストレートに戒めるのは気持ち悪い。
するとさらに高度な欲の解消方法が生まれます。
それは「気持ちよくなりたい」という欲求を
他のモノに転嫁させたり、倒錯させてしまえばいいのです。
五欲を封じ込み厳しい修行に精を出す修行僧は無欲でしょうか?
いいえ、節制することで精神的な高みに行けて、
気持ちよくなれると思うからこそやっているのです。
ボランティアをやる人は無欲でしょうか?
いいえ、他人を助けることで自分が気持ちよくなれるのが最大の報酬なのです。
他人を助けたことで気分がスッキリするし、皆に認められるからこそやるのです。
ダイエットをする人は無欲でしょうか?
いいえ、同じく節制によって美しい体を手に入れて気持ちよくなりたいためにやるのです。
美しい体を手に入れれば健康になれて気持ちいいし、皆に一目置かれるからやるのです。
これらはある意味、代替的、倒錯的な欲求対処法です。
目の前のダイエットは明らかに気持ちよくないものですが、
裏にやはり「気持ちよくなりたい」というキーワードが潜んでいます。
人間はマゾのように倒錯することでも気持ち良さを得ることができるし、
別の高尚なモノに代替することで己の欲を発散することができるのです。
しかし、いずれにしろ人間は自分が気持ちよくなるために、
自分はこうしたいという「欲望」で動いているのです。
人間の言葉では「信念」と「欲望」は違うものだと認識されていますが、
哲学的には「信念」と「欲望」は同義です。どちらもただのエゴです。
そんなものを区別しない宇宙人から見たら、
すべての人間は単純なエゴで動いているのです。
試しに自分が一日にどんな行動をしたかをまとめて、
その動機を考えてみるといいでしょう。
寝ることは? 歯を磨くことは? 仕事することは? ランチをするのは?
同僚と雑談するのは? ネットを見るのは? テレビを見るのは?
本を読むのは? ギャンブルをするのは? スポーツをするのは?
子供と遊ぶのは? 子供に言い聞かせるのは? 薬を飲むのは?
旅行をするのは? 神社にお参りするのは? 公園を散歩するのは?
そのリストには徹頭徹尾、己が気持ちよくなりたいがための行動が並んでいるはずです。
それが食欲や娯楽欲のようにストレートに出ているものもあれば、
厳しい仕事の裏に欲が隠されているものもあるし、
世のため人の為といった大義名分に隠れているものもあるし、
ダイエットのように倒錯しているものもあるでしょう。
しかし、全部の行動の動機の根底には
最終的に「自分が気持ちよくなりたい」という単純な欲望が結びついているはずです。
そして、人間は自分が気持ちよくなれれば「満足」し、
気持ちよくなれなければたちまち「不満」になります。
誰だって食べられないとイライラして不満を言い始めます。
なんで食べ物がないんだと文句を言う。次に八つ当たりを始めます。
家族が面倒をみてくれないからとか、
あるいは自治体の流通がおかしいからとか御託を並べるでしょう。
それはストレートに「腹が減った!」というのは周りから馬鹿に思われるし叩かれるから、
社会が悪いといった高尚な言い回しになるのです。
逆に自分が満足すれば、ケロリとしてなにもいわなくなるか、
あるいは大げさに感謝をするものです。
食べログやアマゾンのレビューを見ていてもそう思いませんか?
自分が満足できたら絶賛、自分が不満なら大叩きするものでしょう。
単純な話をしましたが、人間の世に起こるいざこざは、全部己の欲が元です。
自分の心が気持ちよくなれていないから、不満をぶつけて周りと争う。
自分の心が気持ちよくなれるまで、心体の不満を解消するまで、
その欲望を元にした戦いは永遠に続くのです。
さて、トレードに勝つには、人間特有のエゴイズムの鉄則を知ることです。
金欲を持つ人が集まってくるのが相場です。しかし、同じく自分にも金欲がある。
平たくいえば誰もが相場では、お金を得て望みを叶えて気持ちよくなりたいと思っている。
そうでしょう?
そういった強欲な人たちとのバトルロイヤルに勝ち抜ぬいていくにはどうすればいいか?
ストレートに欲を丸だししていては、相場の人に馬鹿にされます。カモになります。
そこはやはり、スマートにやらなければなりません。
具体的にはダイエットする人のように、動機を倒錯させていかなければなりません。
なぜなら、トレードで勝つには生理的にキモチワルイルールを守らなければならないのですから。
その代表格がリスク管理や損切でしょう。
誰だって損をすることはやりたくはありませんが、
しかし、それをやる理由をムリヤリ動機づけしなければ勝てないのです。
つまり、損切をすることが、とってもキモチいい報酬と
つながっていることを連想しなければならない。
ダイエットのように厳しい節制の見返りとして美しい体が手に入る。
己の欲望を倒錯・転嫁させて気持ち悪いことを行い目的を果たす。
こうやって「エゴ=欲望」の進む方向をコントロールさせることが必要なのです。
トレードも気持ち悪いリスク管理を守れば、気持ち良く稼げるようになってきます。
そう考えてダイエットと同じように己の欲望を倒錯させて、ルールを守っていくしかないのです。
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